みなさんこんにちは。大和鋼管工業株式会社の企画担当の田中です。
25卒の皆さんは2024年3月の採用情報公開を控え、自己分析/業界分析/企業分析を行なって、マイナビやリクナビ等のナビサイトから気になる企業のリスト作成を行なっている最中ではないでしょうか?
その中で「鉄鋼というものづくりから社会を支えたい」と考え、鉄鋼業界の業界分析を行なっている人もいらっしゃるかと思います。
今回は、鉄鋼二次メーカーである私たちの視点で、鉄鋼業界の歴史や現状と課題ついてご紹介します。
また、よく使用される業界用語については用語集を準備していますので、青字で記載された各業界用語のリンクから、内容を確認してください。
※用語集は順次追加していく予定です。
鉄鋼業界への就職を希望される方々にとって、業界分析や企業分析の参考になれば幸いです。
鉄鋼業界の概要と歴史
鉄は自転車/自動車/電車等の乗り物や、家電製品/食器等の生活必需品、ビル/橋梁等の建築物にも広くあまねく使用されており、私たちの生活になくてはならない存在です。
一説によると私たちが住んでいる地球の質量のおよそ30%を鉄が占めており、地球の核は殆ど鉄できていると言われおり、鉄は地球上で最も普遍的な資源の一つと言える訳です。
例えば鉄の原料となる鉄鉱石はアルミニウムの原料となるボーキサイト等の他の金属資源と比べると、可採埋蔵量が10倍以上と桁違いに多いことが分かっています。つまり人類としてこの豊富な資源を有効活用しない手はないという事になります。
人類が最初に鉄を発見したのは"隕石"からだったとされている説が有力とされており、古代エジプトで紀元前3000年頃に製作された隕石製とみられる鉄環首飾りが発見されています。
それから各文明で鍛造や鋳造の技術が進化し改良が加えられ、18世紀の産業革命で、近代における高炉法による鉄の鋳造が一般的になったと言われています。
現在、製鉄の方法は前述した高炉法か、スクラップを電気で溶かして再利用する電炉法が主流です。
鉄鋼業界の現状
2020年の世界主要国の粗鋼生産量は合計およそ19億トンで、そのうち日本では4%にあたる8,300万トンの粗鋼を生産していて、日本は中国とインドに次いで世界3番目の粗鋼生産国に位置付けられています。
世界最大の粗鋼生産国である中国の粗鋼生産量はおよそ10.6億トンで圧倒的に多く、日本は粗鋼生産量こそ大きく離れていますが、自動車向けのハイテン鋼等の付加価値の高い鋼材を中心に高い技術力で世界を牽引しています。
鉄鋼業界の課題と展望
鉄鋼業界は2021年は2020年に比べて粗鋼生産量が減少しました。そして今後数年間は粗鋼生産量は世界的に減少し続けていくと私は考えています。
その理由は、地球環境保護の一貫として"脱炭素化(二酸化炭素排出量削減)"の取組が世界的にも加速している為です。
地球温暖化の原因の一つでもある”温室効果ガス”の中でも、人為的行為により圧倒的に大量に排出され、地球温暖化への影響度が大きいと考えられているのが”二酸化炭素”と言われています。
その中でも鉄鋼業界はその生産量の多さと生産のプロセスの特性から、日本の産業界では最も多くの二酸化炭素を排出しており、それを削減する日本の鉄鋼メーカーの取組は日本の環境対策の中心に位置付けられています。
出典:・国立研究開発法人国立環境研究所_日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2018年度)(速報値)
特に高炉法による鋳造は鉄鉱石を原料としており、酸化鉄である鉄鉱石を鉄とする為に、石炭等の化石燃料に含まれる炭素を利用し鉄と酸素を引き離します。
この反応は鉄鉱石の炭素による”還元反応”と呼ばれ、鉄が生成される際に多くの二酸化炭素も一緒に発生してしまいます。つまり”還元反応”で発生してしまう”二酸化炭素の低減”が、鉄鋼業界にとって目の前にある最も大きな課題となっている訳です。
その為、現状は鉄の生産を増やさない事で、"二酸化炭素の低減"を行なう是正的な対応が世界的に広がっています。
我々鉄鋼業界の中でも特に高炉を持つ企業は、このような課題に向けて、炭素ではなく水素を使って酸化鉄を還元する"水素還元製鉄"の開発等を行う"ゼロカーボンスチール"に挑戦しています。
鉄鋼業界で働く醍醐味
これからの鉄鋼業界の中で働く醍醐味は、鉄を供給する事で人々の生活を支え社会貢献する一方で、経済性と環境性を兼ね備えた技術の開発や操業の実現で環境問題を解決し世界をリードする事であると我々は考えています。
まとめ
私たちの視点で鉄鋼業界の現状/課題/展望とそこで働く醍醐味について簡単にご紹介しましたが、如何だったでしょうか?
鉄鋼業界についてもっと詳しく知りたい場合には日本鉄鋼連盟のサイト等で情報収集することもお勧めいたします。
リンク:一般社団法人 日本鉄鋼連盟HP
また、私たち大和鋼管工業も積極的に採用活動を行なっており、24卒を対象に総合職募集を行なっております。詳細について知りたい方は、以下の画像のリンクより確認をお願いします。
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